「Windows 7」+「Core i7-975」+最新X58マザー「GA-X58A-UD7」+「GTX295」×2(Quad SLI)の構成で、約11年ぶりにPCを自作しました。
僕は最近まで、一昨年前の2007年初めに「Windows Vista」が発売された時すぐに購入した、デスクトップPCのSONY VAIO「Type R master」(VGC-RM91S1)と、モバイル用のノートPCで同じくSONY VAIOの「Type S」(VGN-SZ93S)の2台のPCを使っていました。どちらの機種も性能的に限界を感じていたし、もうすぐ3年保証が切れるので、今年10月22日の「Windows 7」の発売に合わせて買い替えるつもりでいました。
で、ノートPCの方はすでに、10月の「Windows 7」発売直後に、「Windows 7 Ultimate 64ビット版」がプリインストールされたVAIO Zシリーズ「VGN-Z93HS」を入手していました(この記事はこちら)。しかし、デスクトップPCの方は、「Type R master」は昨年に製造中止になってしまっていて、SONYはデスクトップPCから撤退してしまったので、VAIOシリーズには買い替えるのに適当な機種がありませんでした。
CPUに「Core i7」を搭載したハイエンドPCが欲しかったのですが、大手PCメーカーでは全く見当たらない状況でした。唯一「Epson Direct」の直販で、「Core i7」搭載のデスクトップPCがラインナップされていましたが、SSDや書き込み可能なBDドライブを選択できなかったため、購入してもかなりパーツを追加して手を入れなければならず、すぐに注文する気になれず考えてしまっていました。
さらに、10月の半ばに、友達の女の子にWebサイトの作成を頼まれたのですが、11月に入って天気の急激な変動のせいで2、3回風邪を引いてしまっため、Webサイトを完成させるのに11月下旬までかかってしまいました。このため、デスクトップPCの買い替えの検討は、しばらくお預けになっていました。この間に、新しく購入したノートPC「VGN-Z93HS」に一通りアプリやデータを移行して、「Windows 7」を自由に扱えるようにしておきました。
Webサイトの作成とノートPCの環境移行が片付いて、12月に入ってから再び、デスクトップPCの買い替えをどうするか考えました。
「Core i7」と言っても、以前から発売されていたハイエンド向けのLGA1366(コードネーム:Bloomfield)+X58チップセットと、今年9月に発売が始まったメインストリーム向けの新しいLGA1156(コードネーム:Lynnfield)+P55チップセットの2通りのシリーズがあり、それぞれに互換性はありません。LGA1366もLGA1156も、余裕がある場合にクロックを自動的にアップさせる「Turbo Boost」という仕組みを持っていますが、後から登場したLGA1156の方が「Turbo Boost」の倍率が高くなっています。さらに、LGA1156用のマザーボードは、新機能を取り入れたものが多数発売されている状況でした。ここで、LGA1366+X58にするか、LGA1156+P55にするか、かなり悩んでしまいました。
結局、以下の理由でLGA1366+X58にすることにしました。
- LGA1156の方が「Turbo Boost」の倍率が高いと言っても、LGA1156で1番いい「i7-870」(2.93GHz)よりも、LGA1366の「i7-975 Extreme Edition」(3.33GHz)の方が、どのベンチマークでもスコアが良く、絶対的な性能はLGA1366の方が上。
- LGA1156ではPCI Expressのコントローラが内蔵になったが、対応するのは16レーンまでで、SLIやCrossFireXで使う場合には8レーン×2となってしまうため、別のコントローラを搭載したマザーボードを選ぶ必要がある。
- 来年発売される新CPU「Gulftown」は、LGA1366+X58ベースのマザーで使うことができる。
「Epson Direct」では、X58マザーを搭載した「Endeavor Pro7000」シリーズがあり、直販サイトではCPUに「Core i7-975 Extreme Edition」、グラフィックボードに「NVIDIA GeForce GTX295」を選択することができるようになっていました。しかし、 今月12月上旬の時点で、どちらも在庫はわずかとなっており、納期はメールで回答されることになっていました。そこで、秋葉原の「Epson Direct」の直営店に行って、納期はどれくらいになるのか聞いたところ、「i7-975もGTX295も在庫が全くないので、納期はいつになるかわからない」という回答でした。在庫が全くないなら、直販サイトに「在庫わずか」などと嘘を書かないで欲しいものです。危うく注文してしまうところでした。
ここで、メーカー製PCを買うのはあきらめ、デスクトップPCは自作することにしました。僕は、約11年前の90年代終わりの自作ブームの頃に、2台ほどPCを自作した経験があります。でも、当時はオーバークロックしない限り、CPUやグラボの冷却のことなど考える必要もなかったし、インターフェイス類も全く違うものになっているし、「Core i7」になってからチップセットのアーキテクチャも大きく変わっています。なので、PCの自作はいまいち不安でした。
雑誌やホームページで情報を集めてから、今月12月前半に秋葉原のショップを回ってパーツ類を買い揃えて、PCを組み上げました。以下の写真が、完成したPCです。
使用したパーツ類は次の通りです。
- OS: Windows 7 Ultimate 64ビット版 (パッケージ版)
- CPU: Intel 「Core i7-975 Extreme Edition」(3.33GHz)
- M/B: GIGABYTE 「GA-X58A-UD7」
(SATA 3.0 [6Gbps] & USB 3.0 ポート搭載)
- メモリ: CORSAIR 「CMX6GX3M3A1333C9」
(DDR3-1333,2GB×3枚) 2セット (計12GB)
- グラフィックボード: NVIDIA 「GeForce GTX295」 2枚 (Quad SLI)
(玄人志向 「GF-GTX295-E1792HW/HD2」)
- ストレージ
- SSD: 東芝(アイ・オー・データ) 「SSDN-ST256B」 (256GB) 2台
- HDD: Seagate 「Barracuda XT ST32000641AS」
(2TB,SATA 3.0 [6Gbps]) 1台
- 光学ドライブ
- Pioneer 「BDR-S05J-BK」 (BD書き込み12倍速)
- LITEON 「iHES208-27」 (BD読み込みのみ、CD・DVD書き込み可)
- メモリカード・リーダー: Skydigital 「SKY-TF」
- PCケース: Abee 「AS Enclosure 450ST」
(オプションで冷却強化パーツなど約3万円分追加)
- 電源: OCZ Technology 「OCZZ1000M」 (1,000W,80PLUS Gold)
- ディスプレイ: 三菱 「MDT243WGⅡ」 2台 (デュアル・ディスプレイ)
(VAパネル,24型,WUXGA,1920×1200ドット)
- スピーカー: BOSE 「Companion 2Ⅱ」
- キーボード&マウス: Microsoft 「Wired Desktop 600」
古いパーツなどは一切流用せず、すべて新品で揃えたので、合計で約85万円になりました。前のデスクトップPCの「VAIO Type R master」が約95万円だったので、ハイエンドPCなら、自作してもこれくらいかかるのでしょう。
これらのパーツ類で気になったことを書いてみます。
- マザーボードの「GA-X58A-UD7」は、今月12月初めに発売されたばかりで、X58チップセットでは最新のものです。SATA 3.0 [6Gbps]ポート2基 とUSB 3.0 ポート2基を搭載しているのが特徴です。P55マザーでは、これらのポートを搭載したものがすでに数種類出ていますが、X58マザーでは今のところ、この「GA-X58A-UD7」だけです。また、PCI Expressスロットは、 x16が2つとx8が2つあり、x8のスロットを使用しなければ、x16の2つのスロットを共に16レーンで使えます。
新機能を搭載したP55マザーがたくさん出てきている中で、このマザーボードが登場したことも、LGA1366+X58を選択するきっかけになりました。
- グラボは、本当は最近発売されたばかりの「ATI Radeon HD 5870」や「HD 5970」を2枚買う予定だったのですが、今月12月前半にはどこのショップも入荷するとすぐ売り切れてしまう状態で、在庫は1枚もなかったのであきらめました。これらのグラボは、「Windows 7」で新たにサポートされた「DirectX 11」に対応していることが大きな魅力なのですが、実際問題、動画再生・編集ソフトなどではNVIDIAのCUDAに対応しているものの方が多かったりします。
ちょうど、1枚のボードに2つのGPUを搭載した「GeForce GTX 295」で、同じ型番のものを2枚見つけたので、Quad SLIにして使うことにしました。マザーボード「GA-X58A-UD7」のPCI Express x16スロット2つに挿して、両方とも16レーンで動作させています。
- SSDは、Intelの「X25-M Mainstream」がランダム・アクセスが圧倒的に速く、PCの起動時間も短いとのことで、非常に人気があります。でも、以下の理由でやめました。
- Intelは過去に2度も致命的な不具合のあるファームウェアをリリースしている。さらに、僕がパーツ集めをやっていた12月前半には、新しくリリースされたユーティリティー・ソフトである「ToolBox」も不具合があるとして配布が一時中止になっていたため、いまいち信頼性が乏しい。
- アプリをたくさんインストールするので、IntelのSSDで最大の160GBでも容量的に不安。
アプリを他のドライブにインストールすることもできるが、アプリによってはインストール先がCドライブに決めうちになっているものがあり、ユーザー・フォルダを別のドライブに移していても、Cドライブに「ドキュメント」や「デスクトップ」などのフォルダを勝手に作るので、アプリのインストール先をすべてCドライブのみにせざるを得なくなる。
2台のSSDでRAID 0を組む方法もあるが、「Windows 7 (64ビット版)」とRAIDに対応していて、増分バックアップもできるような手軽なバックアップ・ソフトが存在しないので、1台のSSDにOSもアプリも入れるようにした方が無難。
ちょうど東芝製のSSDを、アイ・オー・データが発売し始めたところでした。東芝製SSDなら256GBのものがあるし、スピードはそこそこ出るし、何よりかなり前から東芝製のノートPCに使われていたので信頼性もあります。そこで、1台7万6,800円と値が張りましたが、東芝製の256GBのSSDを2台買いました。2台買ったのは、片方をシステム用にし、もう一方をデータの作業領域に使うためと、システム用が壊れたらすぐに交換できるようにするためです。
ちなみに、アイ・オー・データは、僕が買った「SSDN-STBシリーズ」に代えて、今月下旬からユーティリティー・ソフト類を付けてパッケージを変えた「SSDN-STHシリーズ」を発売していますが、中のSSDは変わっていないようです。 - Intelは過去に2度も致命的な不具合のあるファームウェアをリリースしている。さらに、僕がパーツ集めをやっていた12月前半には、新しくリリースされたユーティリティー・ソフトである「ToolBox」も不具合があるとして配布が一時中止になっていたため、いまいち信頼性が乏しい。
HDDは、Seagateの「Barracuda XT ST32000641AS」(2TB)を1台買いました。これは、今のところ唯一SATA 3.0 [6Gbps]に対応したHDDなのですが、HDD内の転送速度がSATA 2.0の3Gbpsにも達していないため、SATA 3.0対応の意味は全くありません。それでも、容量2TBクラスのHDDでは、パフォーマンスが一番いいので買ってみました。主にデータ保存用にする予定です。
PCケースは、今年5月に発売された、Abeeの「AS Enclosure 450ST」を買いました。Extended ATXサイズにも対応した大きなケースで、配達料を含めると、4万円ちょっとする高価なものでしたが、これは最大の失敗でした。このケースは、右の写真のように、拡張スロットの部分と電源ユニットの部分にカバーをつけて分断し、エアーの流れを3層に分けて冷却効率を高め、同時に静音化も実現しているという謳い文句でした。
しかし、実際にPCを組んで動かしてみると、CPUもGPUも定格動作なのに天板の部分が非常に熱くなることに気が付きました。Windowsを起動しているだけのアイドル時で、CPUの温度は50度台あり、ちょっと負荷をかけると60度台後半になってしまいます。これでは、とても安定稼動が見込めません。
ケースを良く見るとフロントパネルに吸気口が全くなく、フロントパネル下部のわずか1cm弱の隙間からエアーを取り入れる仕組みになっていました。HDDスペースの後方にファンが2つ付いていますが、それぞれエアーが拡張スロットの部分と電源ユニットの2つのスペースにしか流れません。天板にファンはなく、後部上方に12cmで1,000rpmの静音ファンが1つあるのみなので、一番上のCPUのあるスペースのエアフローは、ほとんど無いに等しい状態でした。
Abeeは今年9月に、全く同じ大きさのPCケース「AS Enclosure 450TT」を発売しています。値段は、「450ST」より3,000円ほど高い程度です。
「450TT」は、「450ST」のように3層に分かれてはおらず、フロントパネルに吸気口がたくさん開いており、フロントパネルのすぐ裏にファンが2つある上、天板にも大きなファンが付いています。「静音」という言葉に引かれて「450ST」を買ってしまいましたが、あまりに冷却効率が悪いので、「450TT」の方を買えば良かったと後悔してしまいました。
後から「450TT」を買うことも考えましたが、すでに買ってしまった「450ST」の処分に困ってしまいます。PCケースは買い取ってもらえるところがあまりなく、かなり大きくて重いものなので、オークションに出すのも面倒だからです。
仕方がないので、AbeeのWebサイトの直販ストアで、吸気口がたくさん開いたフロントパネルや、ファンの付いたトップカバー、追加のファン3つなどのオプション類を、合計で約3万円分購入しました。これらのオプション類を付けたところ、CPUの温度はアイドル時で40度台前半と、一気に10度近く下がってくれました。
ケースのファンは最初3つだけだったのが、7つにまで増えました。CPUファンと電源ファンを含めると9つになります。ファンの音が心配でしたが、オプションを付ける前は、ちょっと負荷をかけるとCPUファンが2,500rpm近くでフル回転したのが、2,000rpm以下に落ちたので、逆に少し静かになりました。
PCケースだけで約7万円もかかったことになりますが、一応安定して動くようになったので良かったです。
ケースにパーツをすべて取り付けて、電源を入れて起動させてBIOS画面を出すところまでは、半日ほどかかりましたが、一発で成功しました。しかし、「Windows 7」をインストールするのに2回失敗し、3回目でようやく正常に動くようになりました。
1回目は、すべてのパーツを付けた状態でWindowsをインストールしましたが、インストール後には、再起動するときに途中で再び再起動したり、「Windows Update」をやっている最中に突然電源が落ちたりしました。
原因を切り分けるために、グラボは1枚、ディスプレイも1台、ストレージはSSDを1台だけにしてWindowsをインストールし、その後パーツを追加していきました。すると、2台目のSSDとHDDを取り付けた後に、Windowsの動作が変になることがわかりました。
マザーボード「GA-X58A-UD7」のSATAコントローラは、ICH10R、GIGABYTE SATA2、Marvell(SATA 3.0 [6Gbps])、JMicron(eSATA)の4つが載っていて、BIOSの設定ですべてAHCIモードに変更してありました。試しにSATA 3.0 [6Gbps]をIDEに変えたらブルースクリーンが出まくって、なかなかWindowsが起動しなくなってしまいました。
この時、SATAのデバイスを変更したり、BIOSの設定を変えたり、またBIOSをアップデートしたりすると、合計12GBあるメモリが、BIOSで10GBとか8GBしか認識されなくなることに気が付きました。BIOSでのメモリの認識が正常でない状態でWindowsを起動すると、Windowsの動作もおかしくなってしまっていました。
メモリの異常かと思い、3枚ずつ2セットあるメモリを挿し変えたりしましたが、どのメモリが原因か特定できませんでした。メモリを挿し変えたり、BIOSの設定を変更したりしているうちに、12GBをちゃんと認識するようになり、Windowsも正常に動作するようになりました。
どうも、新しく出たばかりのマザーボードのせいか、SATA周りやメモリの認識がきちんとしていないようです。
そこで、3回目には、BIOSでしっかりメモリを12GB認識するように、何度もBIOSの設定を変えたりして確認しながら、Windowsをインストールし、パーツを追加していったところ、不具合は起こらずに安定して動作するようになりました。
参考までに、「Windows 7」の「エクスペリエンス インデックス」の数値は次のようになりました。(この数値は、「Windows Vista」では最高が5.9でしたが、「Windows 7」では7.9が最高になっています。)
「プライマリ ハードディスク」=東芝製SSDの数値が6.9と一番低く、これが基本スコアになってしまっています。Intel製のSSDだと7.5などという数値になるようですが、上述のようにIntel製SSDを買う気はしなかったし、6.9でも十分速いスコアなので、かなりいい結果が出ていると思います。
約11年ぶりのPC自作でしたが、ちゃんと動作するハイスペックなPCが出来上がって良かったです。これからアプリやデータを移行して、メインのマシンとして本格的に使っていくつもりです。
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